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論文題目「Synthesis of Metal Boride Nanoparticles by RF Thermal Plasma」
（高周波熱プラズマによる金属ホウ化物ナノ粒子の合成）
Cheng Yingying
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論文題目「Synthesis of Metal Boride Nanoparticles by RF Thermal Plasma」
（高周波熱プラズマによる金属ホウ化物ナノ粒子の合成）
Cheng Yingying
本論文は「Synthesis of Metal Boride Nanoparticles by RF Thermal Plasmas（高周波熱プラズマによる金属ホウ化物ナノ粒子の合成）」と題し，英文で書かれ，全７章で構成されている。
第1章「General Introduction」では，熱プラズマによる材料合成に関する既往の研究を概観し，従来の合成法による機能性ナノ粒子の研究動向とその問題点，さらにそれらの問題を解決する手法として考えられる熱プラズマ処理法をまとめ，本研究の構成と目的について述べている。
第2章「Synthesis of Titanium Boride Nanoparticle by RF Thermal Plasma」では，高周波熱プラズマによるホウ化チタンナノ粒子の合成について検討している。原料粉体中のホウ素含有量の増加によってナノ粒子の粒径が減少し，ナノ粒子中に占めるホウ化チタンの割合も減少することを示している。プラズマガスにヘリウムを加えることによりナノ粒子中の二ホウ化チタンの割合が増加していることを示し，この理由としてヘリウム添加によりプラズマから原料粉体への熱伝達が促進され，ナノ粒子生成領域における気相の組成が変化したためであると述べている。さらに，数値解析によってナノ粒子の生成機構を解明し，これらの実験結果を考察している。
第3章「Synthesis of Iron Group Metals Boride Nanoparticle by RF Thermal Plasma」では，高周波熱プラズマによる鉄族金属のホウ化物ナノ粒子の合成について検討している。粉体供給量の増加によってナノ粒子の粒径は増加し，原料粉体中のホウ素含有量の増加よって粒径が小さくなり，ナノ粒子中の金属ホウ化物の割合が増加することを示している。これらの実験結果より，鉄族金属のホウ化物ナノ粒子合成における粒径および組成の制御方法を検討している。
第4章「Synthesis of Refractory Metals Boride Nanoparticle by RF Thermal Plasma」では，高周波熱プラズマによる高融点金属のホウ化物ナノ粒子の合成について検討している。ナノ粒子中の高融点金属のホウ化物ナノ粒子の割合は，粉体供給量の増加によって減少し，原料粉体中のホウ素含有量の増加によって増加すること，ナノ粒子の粒径は粉体供給量の増加によって増加することを示している。さらに，数値解析によって高融点金属ホウ化物ナノ粒子の生成機構を解明し，ホウ化チタンナノ粒子や鉄族金属のホウ化物ナノ粒子と異なる生成機構を提案している。
第5章「Synthesis of Boron Rich Boride Nanoparticle by RF Thermal Plasma」では，高周波熱プラズマによるアルミニウムあるいはイットリウムの多ホウ化物ナノ粒子の合成について検討している。原料粉体中の金属とホウ素の組成比，粉体供給量，プラズマガス，プラズマ出力，および原料粒径を変えた合成実験を行い，それぞれの条件で合成された多ホウ化物ナノ粒子について，熱力学的検討および核生成温度の観点から考察し，多ホウ化物ナノ粒子の生成機構を提案している。
第6章「Formation Mechanism of Metal Boride Nanoparticles by RF Thermal Plasma」では，これまでの章で得られた結果を総括し，高周波熱プラズマによる金属ホウ化物ナノ粒子の生成機構について考察している。ホウ化物を構成する成分の核生成温度によって二種類のナノ粒子生成機構に大別できることを見出し，生成物の組成制御には核生成温度が最も重要な要素であると述べている。
第7章「Conclusions」では，本研究の成果を総括し，今後の展望について述べている
第1章「General Introduction」では，熱プラズマによる材料合成に関する既往の研究を概観し，従来の合成法による機能性ナノ粒子の研究動向とその問題点，さらにそれらの問題を解決する手法として考えられる熱プラズマ処理法をまとめ，本研究の構成と目的について述べている。
第2章「Synthesis of Titanium Boride Nanoparticle by RF Thermal Plasma」では，高周波熱プラズマによるホウ化チタンナノ粒子の合成について検討している。原料粉体中のホウ素含有量の増加によってナノ粒子の粒径が減少し，ナノ粒子中に占めるホウ化チタンの割合も減少することを示している。プラズマガスにヘリウムを加えることによりナノ粒子中の二ホウ化チタンの割合が増加していることを示し，この理由としてヘリウム添加によりプラズマから原料粉体への熱伝達が促進され，ナノ粒子生成領域における気相の組成が変化したためであると述べている。さらに，数値解析によってナノ粒子の生成機構を解明し，これらの実験結果を考察している。
第3章「Synthesis of Iron Group Metals Boride Nanoparticle by RF Thermal Plasma」では，高周波熱プラズマによる鉄族金属のホウ化物ナノ粒子の合成について検討している。粉体供給量の増加によってナノ粒子の粒径は増加し，原料粉体中のホウ素含有量の増加よって粒径が小さくなり，ナノ粒子中の金属ホウ化物の割合が増加することを示している。これらの実験結果より，鉄族金属のホウ化物ナノ粒子合成における粒径および組成の制御方法を検討している。
第4章「Synthesis of Refractory Metals Boride Nanoparticle by RF Thermal Plasma」では，高周波熱プラズマによる高融点金属のホウ化物ナノ粒子の合成について検討している。ナノ粒子中の高融点金属のホウ化物ナノ粒子の割合は，粉体供給量の増加によって減少し，原料粉体中のホウ素含有量の増加によって増加すること，ナノ粒子の粒径は粉体供給量の増加によって増加することを示している。さらに，数値解析によって高融点金属ホウ化物ナノ粒子の生成機構を解明し，ホウ化チタンナノ粒子や鉄族金属のホウ化物ナノ粒子と異なる生成機構を提案している。
第5章「Synthesis of Boron Rich Boride Nanoparticle by RF Thermal Plasma」では，高周波熱プラズマによるアルミニウムあるいはイットリウムの多ホウ化物ナノ粒子の合成について検討している。原料粉体中の金属とホウ素の組成比，粉体供給量，プラズマガス，プラズマ出力，および原料粒径を変えた合成実験を行い，それぞれの条件で合成された多ホウ化物ナノ粒子について，熱力学的検討および核生成温度の観点から考察し，多ホウ化物ナノ粒子の生成機構を提案している。
第6章「Formation Mechanism of Metal Boride Nanoparticles by RF Thermal Plasma」では，これまでの章で得られた結果を総括し，高周波熱プラズマによる金属ホウ化物ナノ粒子の生成機構について考察している。ホウ化物を構成する成分の核生成温度によって二種類のナノ粒子生成機構に大別できることを見出し，生成物の組成制御には核生成温度が最も重要な要素であると述べている。
第7章「Conclusions」では，本研究の成果を総括し，今後の展望について述べている
研究論文
- Yingying Cheng and Takayuki Watanabe: Synthesis of Titanium Boride Nanoparticles by Induction Thermal Plasmas, Journal of Chemical Engineering of Japan, 44 (8), p.583-589 (2011.8).
- Yingying Cheng, Masaya Shigeta, Sooseok Choi, and Takayuki Watanabe: Formation Mechanism of Titanium Boride Nanoparticles by RF Induction Thermal Plasma, Chemical Engineering Journal, 183, p.483-491 (2012.2)
- Yingying Cheng, Sooseok Choi, and Takayuki Watanabe: Synthesis of Niobium Boride Nanoparticle by RF Thermal Plasma, Journal of Physics: Conference Series, 441, 012031 (2013.6).
- Sooseok Choi, Jiro Matsuo, Yingying Cheng, and Takayuki Watanabe: Preparation of Boron-Rich Aluminum Boride Nanoparticles by RF Thermal Plasma, Journal of Nanoparticle Research, 15, 1820 (2013.7)
- Yingying Cheng, Sooseok Choi, and Takayuki Watanabe: Effect of Nucleation Temperature and Heat Transfer on Synthesis of Ti and Fe Borides Nanoparticles in RF Thermal Plasmas, Powder Technology, 246, p.210-217 (2013.9).
- Sooseok Choi, Lorico DS. Lapitan Jr., Yingying Cheng, Takayuki Watanabe: Synthesis of Cobalt Boride Nanoparticles using RF Thermal Plasma, Advanced Powder Technology., 25 p.365-371 (2014.3).
- Yingying Cheng, Manabu Tanaka, Takayuki Watanabe, SunYong Choi, MyoungSun Shin, KyuHang Lee: Synthesis of Ni2B Nanoparticles by RF Thermal Plasma for Fuel Cell Catalyst, Journal of Physics: Conference Series, 518, 012026 (2014.6).
国際学会
- Yingying Cheng and Takayuki Watanabe: RF Thermal Plasma Synthesis of Titanium Boride Nanoparticles, 4th International Conference on Plasma Nanotechnology & Science (2011.3 Takayama).
- Yingying Cheng, Takayuki Watanabe, and Masaya Shigeta: Mechanism of Titanium Boride Nanoparticle Formation in RF Thermal Plasma Synthesis, Proceedings of 20th International Symposium on Plasma Chemistry, THE12 (2011.7.26 Philadelphia, USA).
- Yingying Cheng, Sooseok Choi, and Takayuki Watanabe: Formation Mechanism of Transition Metal Boride Nanoparticles by RF Thermal Plasmas, P2112C, 4th International Symposium on Advanced Plasma Science and Its Applications for Nitrides and Nanomaterials (2012.3.6 Nagoya).
- Takayuki Watanabe, Yingying Cheng, Jiro Matsuo, and Sooseok Choi: Formation Mechanism of Boron-Rich Compound Nanoparticles in Induction Thermal Plasma Processing, 5th International Conference on Plasma Nanotechnology and Science (2012.3.9 Inuyama).
- Takayuki Watanabe, Yingying Cheng, Jiro Matsuo, and Sooseok Choi: Formation Mechanism of Metal Boride Nanoparticles in Induction Thermal Plasma Processing, 39th IEEE International Conference on Plasma Science, 7D-7 (2012.7.12 Edinburgh, UK).
- Yingying Chen, Sooseok Choi, and Takayuki Watanabe: Effect of Nucleation Temperature on Synthesis of Boride Nanoparticles by RF Thermal Plasma, Abstracts of 11th Asia-Pacific Conference on Plasma Science and Technology, 2-P32 (2012.10.3 Kyoto).
- Yingying Cheng, Sooseok Choi, and Takayuki Watanabe: RF Thermal Plasma Synthesis of Core-Shell Structured Metal Boride Nanoparticle, Proceedings of 21st International Symposium on Plasma Chemistry (2013.8 Cairns, Australia).
国内学会
- 崔秀錫, Yingying Cheng, 松尾次郎, 渡辺隆行: 高周波熱プラズマによるナノ粒子合成プロセスの開発, 東京工業大学複合創造領域シンポジウム (2012.2.28 東工大くらまえホール).
- 渡辺隆行, 松尾次郎, Yingying Cheng, 崔秀錫: 高周波熱プラズマを用いたホウ化物ナノ粒子の合成, 化学工学会第77年会研究発表講演要旨集, K217 (2012.3.16 工学院大学).
- (招待講演) 渡辺隆行, 松尾次郎,Yingying Cheng, 崔秀錫: 高周波熱プラズマを用いたホウ化物ナノ粒子の合成とその生成機構, 粉体工学会2012年度春期研究発表会講演論文集, p.63-66 (2012.5.23 メルパルク京都).
- 渡辺隆行, 松尾次郎, Yingying Cheng, 崔秀錫, 茂田正哉: 高周波熱プラズマによるホウ化物ナノ粒子の合成とその生成機構, 2012年度日本機械学会年次大会, S055026 (2012.9.10 金沢大学).
- 渡辺隆行, Yingying Cheng, 松尾次郎,崔秀錫: 高周波熱プラズマによるホウ化物ナノ粒子合成機構, 熱工学カンファレンス2012, G211 (2012.11.17 熊本大学).
- Manabu Tanaka, Yingying Cheng, Takayuki Watanabe, SunYong Choi, MyoungSun Shin, KyuHang Lee: Synthesis of Ni2B Nanoparticles by RF Thermal Plasma for Fuel Cell Catalyst, Abstracts of Papers of 26th Symposium on Plasma Science for Material, p.59, P-54(2013.9.23 九州大学百年講堂).
- 田中学, Yingying Cheng, 岡元大輔, 崔秀錫, 渡辺隆行: 熱プラズマを用いたホウ化チタンナノ粒子合成機構の解明, 化学工学会第46回秋季大会, O215 (2014.9.17 九州大学).
