NHKスペシャル 「2001年宇宙の世紀がはじまる」

NHK総合放送 2001年1月4日(木) 19:30〜20:45

NHK総合放送「2001年 宇宙の世紀がはじまる」において、東京工業大学渡辺研究室で行われている「月土壌からの水製造」に関する研究成果が放送されました。

この番組では世界各国の宇宙開発に関する先進的な研究が紹介されました。このなかで注目されている日本の研究として、渡辺研究室の研究成果が取り上げられました。番組中では、原子炉工学研究所で行われている実験の様子と、2000年11月にコロラドで行われた国際会議での研究発表の様子が放送されました。

現在我が国では,月の全球観測および軟着陸実験を行うSELENE計画や,ペネトレータおよびイメージカメラによる月面観測を行うLunar-A計画などの本格的な月探査ミッションが進められており,月探査活動に関わる様々なインフラ技術の実証が期待されています。将来的には,これらのミッションは月や惑星の科学探査や天文観測に加え,そこにある資源や環境を有効に利用することも目的の1つとして実施されます。

渡辺研究室で行われている研究は、人類が月面で活動するときに必要な水や酸素を月土壌から製造するための技術開発に関するものです。太陽熱を利用して水素を1000度程度に加熱することにより、月土壌中の酸化鉄を還元して水を得ることができます。さらに、生成された水を電気分解して酸素を生成できます。このときに生成する水素は、還元反応器にリサイクルします。

これまでに渡辺研究室では還元反応器の設計を終え、月土壌シミュラントから効率的に水を製造することに成功しています。現在は、さらに大型の反応器を設計するために、反応機構の解明と、数値シミュレータの開発を行っています。