| ホーム | 渡辺教授 | 研究 | 業績 | 装置 | メンバー | 卒業生 | 学生業績 |
| 講義 | 学会報告 | 入学希望者 | トピックス | サイトマップ |

論文題目「大気圧水プラズマによる有機系廃棄物の分解」

斎藤寛典

冷却水を直接放電領域に吹き込むことによって、水プラズマが発生する。水プラズマは外部冷却水が必要でないため、90%以上の熱効率が得られている。プラズマガスを発生させるためのボンベがいらないため、コストを下げることができる。本研究では、大気圧で発生する直流放電水プラズマによって廃棄物を分解し、その分解挙動を調べた。廃棄物の模擬物質としてエタノール水溶液、メタノール水溶液を使用した。冷却水にエタノールまたはメタノールを混ぜることによって、エタノールやメタノールを分解した。エタノールとメタノールを分解したガス中には水素、一酸化炭素、二酸化炭素、メタンが含まれていた。水素のモル分率は60-70%であった。この結果より、有機系廃棄物から合成ガスを作り出せることが示唆された。エタノールやメタノールの濃度を増加させると、一酸化炭素とメタンの濃度が増加した。

HFC-134a(CF3CH2F)、HFC-32(CH2F2)、CF4の分解機構を調べた。水プラズマの下流にHFC-134a、HFC-32、CF4を吹き込むことによってこれらのガスを分解した。HFC-134aやHFC-32の分解ガスは主に水素、二酸化炭素、一酸化炭素、メタンであった。CF4の分解ガスは主に二酸化炭素、水素、一酸化炭素、酸素であった。HFC-134aやHFC-32の供給量を増加させると、分解率と回収率は減少し、一酸化炭素とメタンの濃度は増加した。HFC-134aやHFC-32の分解時、熱分解の副生成物と考えられるCF4は検出されなかった。これは、水素や酸素がCF4の再結合を防ぐためであると考えられる。


新聞報道

研究論文

国際学会

国内学会